Wi-Fi(無線LAN)の電波は、同じ周波数帯を使った電波と干渉すると言われています。そこで今回は、2台のWi-Fiルーターを用い、それらを同じ周波数帯(2.4GHz帯)で同時に通信させ、スマホの通信状態の変化を測定しました。
前回は5GHz帯、前々回は2.4GHz帯で実験を行いましたが、今回は2.4GHz帯の再実験です。
前回の5GHz帯の記事はこちら↓
前々回の2.4GHz帯の記事はこちら↓
実験方法
- 妨害用のルーターは動作させず、普通に回線速度と電波強度を測定。
- 妨害用のルーターを動作させ、メインルーターと同じチャネル(周波数)に妨害電波を放射し、回線速度と電波強度を測定。
- 妨害用ルーターの放射する電波のチャネル(周波数)を少しづつずらしながら、回線速度と電波強度を測定。
今回はタイトルどおり2.4GHz帯を使用しています。
使用ルーター
メインルーター:WN-AX1167GR2 (v6プラス接続)
妨害用ルーター:MR2200ac
実験結果
1. 妨害なし
v6プラス接続の割には遅い気がしますが、こんなものでしょうか。この値が基準となります。
2. 妨害あり、妨害チャネル=メインチャネル
メインルーターが使用しているチャネルと同じチャネルに妨害電波を出すと、回線速度は大幅に低下しました。
ダウンロードはまあまあな数字を維持しています。
3. 妨害あり、妨害チャネル=メインチャネル +2
妨害用ルーターの使用チャネルをメインチャネル +2とすると、やや回線速度は回復しましたが、まだ干渉による影響がみられます。
4. 妨害あり、妨害チャネル=メインチャネル +4
妨害用ルーターの使用チャネルをメインチャネル +4とすると、回線速度はさらに回復しましたが、アップロード速度は妨害なしに比べてまだ半分ほどです。
下の電波強度の図を見ると、チャネルどうし重なっていないように見えるのですが、回線速度の結果からまだ干渉の影響があると考えられます。
5. 妨害あり、妨害チャネル=メインチャネル +6
ここまでチャネルを離すと、回線速度はほぼ妨害なしに近い数値となりました。
干渉の影響は無くなっていると思われます。
6. 妨害あり、妨害チャネル=メインチャネル +8
さらにチャネルを離すと、回線速度は妨害なしの状態と同じになりました。
干渉の影響が無くなったと考えられます。
実験結果一覧
ダウンロード[Mbps] | アップロード[Mbps] | |
妨害なし | 28.1 | 24.7 |
妨害チャネル=メインチャネル | 11.2 | 3.97 |
妨害チャネル=メイン + 2 | 13.4 | 9.25 |
妨害チャネル=メイン + 4 | 21.3 | 12.9 |
妨害チャネル=メイン + 6 | 28.4 | 22.5 |
妨害チャネル=メイン + 8 | 28.4 | 24.2 |
まとめ
- メインルーターの使用チャネルと同じチャネルに妨害電波を出すと、回線速度は大きく低下する。
- 妨害電波のチャネルをメインチャネルから離していくと、徐々に回線速度が回復していく。
- 妨害チャネルをメインチャネル+6まで離すと、ほぼ妨害電波の影響が無くなる。
前回の5GHz帯に引き続き、2.4GHz帯での実験を行いました。2.4GHz帯の実験は2回目(再実験)となり、今回は割と良さそうな結果になりました。
妨害電波のチャネルに関しては、存在するだけでは干渉の影響があまり無いので、スピードテストなど回線をいっぱいに使う作業を走らせなければなりません。
よって、どう妨害すれば現実の電波の干渉を再現できるのか、妨害の仕方を細かく考える必要があります。